スティーヴン・キング / ドクター・スリープ

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    ドクタースリープ上

    スティーヴン・キングの日本邦訳本最新作である「ドクター・スリープ」を読み終えました。まだ未読の大作「アンダー・ザ・ドーム」「11/22/63」も本棚にありましたが、どうしても名作「シャイニング」の続編が読みたくて、先に手を出してしまいました。

    雪に閉ざされた山間のホテル「オーバールック」を舞台に、ひと冬管理を任されたトランス一家。ホテルに巣食う幽霊や悪霊のせいで正気を失っていく父と、【かがやき(シャイニング)】という超能力を持った少年ダニーとその母に降りかかる惨劇を描いた、キングの代表作である名作「シャイニング」の正式な続編である本作、キング・ファン必読の一冊でしょう。

    Storyは【かがやき(シャイニング)】を持った少年ダニーは、アルコール依存性に悩まされる中年になっています。偶然立ち寄った街で、ホスピスの職に就くダン(ダニー)。彼は【かがやき(シャイニング)】を使って、死にゆく人々の傍らで、最後の痛み、悲しみを和らげる事で感謝され、いつしかホスピス内で「ドクター・スリープ」と呼ばれていた。ダンはある日、自分と同じ能力を持った少女、アブラと交信する。アブラの【かがやき(シャイニング)】は強大で、ダンの能力を遥かに凌駕するものであった。そんなアブラの能力を狙い、魔の集団、真結族(トゥルーノット)がアブラに迫っていた。トゥルーノットは【かがやき(シャイニング)】を持った子供の命気(スチーム)を吸って生きている、ヴァンパイアのような集団であった。ダンは魔性の物たちとの対決を決意し、アブラの力を借りてトゥルーノットとの戦いに挑むのであった・・・・。



    ドクタースリープ下

    「シャイニング」は正統派のモダン・ホラー作でしたが、本作は「オーバールックホテル」の惨劇を生き抜いた主人公ダンの活躍を描いた、ホラー・アクション大作になっています。ダンが最初、アル中でどうしようもない飲んだくれで登場(ダメダメ人間が主人公)したり、子供の命気(スチーム)を吸って生きている真結族(トゥルーノット)などは、過去のキング作品の中に登場したキャラクター達に、よく似たのがいたなって感じがしたり、敵対する相手の心の中に侵入したりと、過去の作品で使ったアイデアやプロットがいくつか出てきます。それでもハラハラドキド最後まで飽きなく読ませてしまう文章力は、流石です。トゥルーノットが意外な程、あっさりとやられてしまうため、ハッピーエンドで終わります。読了後も爽快感があり、キング作品の中でも読み終わった後の脱力感も無いので、お勧めです。(前作「シャイニング」を読んでいなくても、充分楽しめる作品です)



    ゴースト・スナイパー  J・ディーヴァー

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      ゴーストスナイパー

      科学捜査の天才、リンカーン・ライム・シリーズ、記念すべき10作目。今回のミッションは何とアメリカ政府内に存在する謎の暗殺組織、NIOSの暗殺計画を暴き、組織の命令者、実行者を逮捕する依頼であった。事件解決の糸口となるのは、リンカーンの力が及ばない、隣国バハマのリゾートホテルで暗殺された米国人暗殺事件。当然のことながらバハマ警察はリンカーンが事件捜査に介入することを嫌い、それどころか暗殺事件自体を、麻薬カルテル絡みの怨恨による事件として捜査する始末。業を煮やしたリンカーンは、介護士のトム、プラスキー刑事とともに空路バハマに向かいます。暗殺組織が雇った殺し屋に危うく殺されかけるリンカーン。そのころ米国では、暗殺に加担した殺し屋が、単身捜査を進めているアメリアを抹殺しようとしていた・・・・。リンカーンの捜査チームは暗殺組織の秘密を暴くことができるのか・・・・。

      前作のラストで身体の組織を修復するオペを受け、片手が動かせるまでに回復したリンカーンに依頼されたミッションは、いつもと勝手が違う事件である。事件現場に残された微細証拠物件から犯人を追求する捜査手法が、今回は通用しない。そんな事件をどう解決するのかが本作の見所になります。ただ読者目線で言うと、正直いつものスリリングな展開が影を潜め、大人しめな作品と感じてしまうのは否めないですね。もちろんラストでのどんでん返しもありますが。自作に期待ですね。



      最近読んだ小説

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        黒川博行の「疫病神」シリーズ、全巻イッキ読みしました。第1作目の「疫病神」が面白かったので、残りのシリーズ4作、読破しました。


        国境

        国境 

        「疫病神」コンビ建設コンサルタントの二宮と二蝶会幹部の桑原は、北朝鮮の詐欺師を追って、北朝鮮に飛びます中古重機代金を踏み倒された二宮と、組の若頭がカジノ建設の投資話で騙し取られた金を奪回しようとする桑原が、北朝鮮で死と隣り合わせのトラブルに巻き込まれる話です。作者本人が北朝鮮で取材したのでしょうか、北での描写がリアルですね。イケイケ極道の桑原と、堅気の二宮の関西弁と掛け合いが絶妙です。「疫病神」シリーズ最高傑作の呼び声が高いだけあって、最高のエンターテイメント作です。


        暗礁

        暗礁

        疫病神の桑原頼まれ、賭け麻雀の代打ちで小銭を稼いだ二宮。奈良県警の課長も参加した接待麻雀で、実はその裏には巨大運送会社の利権が絡んでいたのであった。巨額の裏金に群がる極道達。腐れ縁でなし崩し的に桑原に引っ張り回される二宮。裏金をネコババした逃亡者を追って、二人はついに沖縄にまで遠征するハメに。二宮と桑原の掛け合いが最高に面白いですね。


        螻蛄

        螻蛄

        ドロドロとした宗教法人の世界に、巨額のカネの臭を嗅ぎつけたイケイケ極道、桑原。堅気の二宮をまたまた巻き込み、東京、大阪、京都、名古屋を奔走する2人。巨大宗教法人に群がるのは、腐敗にまみれた刑事、新宿極道、怪しい画廊の美人経営者カネの臭を嗅ぎつけたら最後、一直線の最凶コンビがここでも大暴走します。信頼していた画廊の経営者が実は裏で糸を引いていたあたりのどんでん返しも面白いですね。 


        破門

        破門

        「疫病神」シリーズ最新作。今回は映画製作の話に乗せられたニ蝶会の若頭の依頼で、失踪した詐欺師を追いかける最凶コンビの二人。詐欺師を追う過程で二人組の極道を叩きのめした桑原であったが、なんと相手は本家筋の構成員であった縦社会イザコザに発展した今回のトラブルで、ついに桑原も進退窮まり、ニ蝶会破門の危機に瀕する。直木賞受賞の記念すべき本作。ラストは破門された桑原の暗澹たる未来が暗示され、シリーズの続行が待たれる最後になっています。


        バーニングワイヤー

        バーニング・ワイヤー  J・ディーヴァー

        科学捜査の天才、リンカーン・ライム・シリーズの9作目。今回の敵はなんと電気を操る殺人鬼。ニューヨーク市の心臓と言える電力会社の送電所を突如襲った惨劇。送電システムにハッキングした犯人が、送電システムを操り、電力が一つの変電所に集中するように細工を施し、爆発的な放電発生させる。これは後に発生する大惨事への序章に過ぎなかった。リンカーンとその仲間たちが犯人逮捕にやっきとなるなか、メキシコではライムの宿敵、天才犯罪者ウォッチメイカーこと、リチャード・ローガン逮捕作戦が進行中であった・・・・・。

        相変わらずのドンデン返しが凄いですね。ネタばらしになるので触れませんが、ラストは衝撃の展開ですね。そしてライムの心情にも変化が訪れるんですね。まあ、いい方の変化ですが。

        シリーズ10作目の「ゴースト・スナイパー」、現在読んでる途中です。本国アメリカでは昨年、11作目の「スキン・コレクター」が発表されてます。まだまだ衰えしらずのシリーズ、今後も楽しめそうです。いつか日本を舞台にしたリンカーン・シリーズが執筆されないかな。。。


         


        最近読んだ小説

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          ここのところ、過去の購入した在庫から、無作為に選んで読んでいます。

          ドリームキャッチャー1巻〜4巻 新潮社

          ドリームキャッチャー
           

          雪が降りしきる山岳地帯に突如大量のUFOが墜落。主人公4名は子供時代からの親友同士。1年に1回のハンティングで、山小屋に集まった親友4人の身に悲劇が襲うという内容です。主人公4人の少年時代が丹念に描かれています。それにしても長いです。物語は2〜3日の出来事を描いていますが、全4巻は長すぎますね。読了するのに骨が折れました。やはりキング作品は映像を先に見て、ストーリーを知ってから読んではダメですね。

          先に映画をDVDで観てしまっていたので、購入後10年以上放置していました。キングさんの原作は他にも未読の作品が10冊以上あり、いつ読めるのやら。。。


           

          ビブリア古書堂の事件手帖5巻、6巻  メディアワークス

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          ビブリア6
           

          TVでもドラマ化された、ライト・ノヴェルの5巻、6巻を続けて読みました。鎌倉の片隅でひっそりと営業している古書店を舞台にした、古書を巡るミステリー。古書堂の店主、栞子さんとアルバイト店員、五浦大輔が古書にまつわる謎を解き明かす短編ミステリーですが、とにかく主人公の栞子さんが可愛い。普段は接客もままならない程ですが、いざ古書のい話になると一変して饒舌になる部分が良いですね。

          この5巻、6巻ではいよいよ五浦君と栞子さんのロマンスもあり、早く続きが読みたですね。ちなみに7巻は5月末頃刊行予定だそうです。ライトノヴェルは殆ど読まない私ですが、この作品は良いですね。


           

          神様ゲーム 講談社ノヴェルズ / さよなら神様  文藝春秋
          神様ゲーム

          さよなら神様

          麻耶雄嵩の、如何にも後味の悪い少年探偵小説。主人公の通う小学校で、怪事件が発生する。小学校の同級生、鈴木君が、「僕は神様なんだ、事件の犯人を知ってるよ」と告げる。主人公達は友人たちと結成した探偵団の仲間と真相究明に乗り出すが、犯人は鈴木君が名指しした本人であった。果たして鈴木くんは本当に神様なのか・・・。

          小学生が主人公ですが、侮ってはいけませんね。かなりの本格ミステリーです。最初に鈴木君から犯人の名前を聞いてからストーリーが始まる斬新な設定が面白いですね。それにしても読了後の後味の悪さは・・・。


           

          疫病神  新潮文庫
          疫病神

          建設コンサルタントで主人公の二宮啓之が、産業廃棄物処分場建設を巡るトラブルに巻き込まれる。依頼人の失踪、暴力組織からの妨害。その裏には数十億もの利権が絡んでいた。そんな二宮がひょんな事からコンビを組むことになったのは、二蝶会のヤクザ、桑原。これがとんでもない疫病神で、金のためなら何でもする、超危険な男であった。

          関西を舞台にしてあるだけあって、主人公二人の関西弁が軽妙で面白い。暴力シーンもたくさんあるので、ハードボイルド小説かと言えば、そうではなく、いわゆるエンターテイメント小説でしょうか。産廃処理というアンダーグラウンドな舞台が描かれた小説なんて初めてなので、「フーン、そうなんだ」なんて関心させられるシーンが沢山出てきて面白いです。このコンビを主人公にしたシリーズ作品が他に4作出版されているので、おいおい読みたいですね。






          ザ・スタンド(THE STAND Complete & Uncut Edition) @スティーヴン・キング

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            ついにキングの作品の中でも、1、2を争う人気作「ザ・スタンド」1巻〜5巻を読みました。いや〜それにしても圧倒的なボリュームですね。キング作品の中でも初期の作品ですが、かなりの量の加筆、修正を行った完全版を読みました。単行本を購入し、その後発売された文庫本も購入。今回は読みやすい文庫本を読みました。単行本持っているのに、文庫本も購入するなんて、もったいないと思いますが、ファンと言う物はそんな物ですよね・・・。


            Storyは、アメリカの政府機関が極秘に開発していたあるウィルスが漏れ、世界中に広まります。致死率は99.9%。インフルエンザと同様、空気中でウィルスが拡散する為、全米中のアメリカ市民が死に絶えます。それでも奇跡的に助かった人々が、互いに集まり、滅亡後の世界で生きていきます。生き残った人の中には、当然、善人もいれば悪人もいます。善と悪との戦いが繰り広げられます。そこに超自然的な力が加わり、物語が進行して行きます。


            読み出したら止まらない作品とはこの事ですね。早く次のページが読みたくて、もどかしくなる程、引き込まれる作品ですね。登場人物も個性的で、個人の描写もキングさんらしく、これでもかと言わんばかりにディティールが細かいですね。全米各地に散らばった生き残り人達が、善の象徴である、マザー・アバゲイルの元に集まる件は、手に汗握りますね。

            ここから先は1巻ずつの簡単な内容と、感想を書きます。

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            1巻の内容と感想

            アメリカの軍の施設で極秘に開発された、強力なウイルス。軍の施設から車で逃亡したある軍人が、田舎町のガソリンスタンドに停車。車に乗っていた妻と子供は既に死亡。男もウイルスに感染し、瀕死の状態であった。そのウイルスはやがて空気中に拡散し、全米中に流行します。そのウイルスは、スーパー・フルー(大流感)と呼ばれ、やがて全世界規模で蔓延していきます。ウイルスの存在を隠蔽しようとする軍の動きも空しく、ウイルスが全米各地の人々の命を奪っていきます。その中でも借金取りに追われるロック・シンガーのラリー、偶然ガソリンスタンドで働いていたのに、感染しなかった寡黙なスチュー、妊娠してしまい、思い悩む女子学生フラニー、聾唖の青年ニック等、主要キャストが生き延びていく様が描かれていきます。彼らの未来に待ち受けている運命は・・・・


            ウイルスが蔓延していく様が恐ろしいですね。最初は風邪にかかったくらいに軽く考えていた人々が、日に日に衰弱していき、ついには死亡してしまう恐怖のウイルス。特効薬もなく、感染したらほぼ100%死に至るウイルス。人類を破滅に追いやるのは、地震でも温暖化でも無く、ウイルスなのではないか・・・と考えさせられる内容ですね。これを既に1980年代に作品化していたキングさん、恐ろしい洞察力と言わざろうと得ないでしょうね。荒廃した社会で生き残った人々がどのように生き延びてゆくのでしょう。2巻が楽しみです。

            スタンド2
             

            2巻の内容と感想

            スーパー・フルー(大流感)の蔓延は、全世界規模で進んでいきます。第1巻で登場した主要キャスト達。彼らは自分以外で生き残っている人達を探す行動に出始めます・・・。

            生き残った人達の中にも、
            善と悪の存在があるようで、殺人犯やら、放火魔等も登場してきますが、悪の化身ともいうべき、「闇の男」ランドル・フラッグも登場します。フラッグに引き寄せられる者、そして善である百歳を越える黒人の老女、マザー・アバゲイルも登場し、生き残った人々の夢の中に現れ、それぞれ善と悪の存在を示します。なぜフラッグとマザーは、人々の夢に現れるのか、その辺りの謎は解き明かされず、超自然的な力で人々を引き寄せ始めます。そしていよいよ物語は佳境に入り始めます。


            主要人物達の旅が同時進行的に進んで行きますが、妊娠した女子大生フラニーと同行するデブのイジメラレっ子、ハロルドの存在が面白いですね。その屈折ぶりといったら、物語後半で波乱を巻き起こす人物になりそうな予感がプンプンしますね。


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            3巻の内容と感想

            生き残った人々は、旅の途中で遭遇した生き残りの仲間達といつしかグループを組み、夢に導かれるように旅を続けます。老女マザー・アバゲイルのもとへと集まる人々と、闇の男、ランドル・フラッグもとへ集まる人達。マザー・アバゲイルの暮らすボールダーへと集まってきた人々は、いつしかコミュニティを作るようになり、そのコミュニティはさらに組織を形成するようになっていきます。そしてフラッグの悪の軍勢は、ラスヴェガスに終結、そこではフラッグの超自然的な力による恐怖政治が始まりつつあった・・・


            1、2巻で登場してきた主要人物達がいよいよマザー・アバゲイルの住む<フリー・ゾーン>に終結します。フラッグの元にも、ゴミ箱男(トラッシュキャンマン)等、倒錯した悪人達が集まってきます。いよいよ善と悪との戦いが始まるのかと思いますが、物語は別の方向に進みます。フリーゾーンに集まった人々は、資本主義の精神に法り、議会運営、代議員となるメンバー選出等、法と秩序を全うしようと動き出します。フラッグの影に怯えながらも、フリーゾーンの人々は失われた自信を取り戻しつつ、物語は進行して行きます。一人ひとりの物語が丹念に描かれていて、ページをめくるのがもどかしくなるほど、物語に惹きこまれていきますね。



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            巻の内容と感想

            フリーゾーンの精神的支柱であるザー・アバゲイルが一枚のメモを残し失踪してしまいますフリーゾーンに集まる人達は、どんどん膨れ上がり、スチュー、ニック、ラリー、フラニー、ラルフ、スー、グレンの7人は、フリーゾーンの代表者として代議員となり、ゾーンの人々を集めて大集会を開催します。電気を復旧させる委員、スーパーフルーで亡くなった人達の遺体を埋葬する委員、ゾーンの中で犯罪が発生する危険性を鑑み、陪審員や保安官を設置する案がどんどん可決し、街が一つにまとまり始めようとして行きます。そんな中、フラニーとスチューに対する憎悪に燃えるハロルドが7人の代議員暗殺の計画を画策し・・・・。

            4巻では、フラッグ率いる闇の軍団の動向は描かれず、マザー・アバゲイル失踪後のゾーンの人々の成長、葛藤、混乱が描かれていきます。そんな中、フラッグの影に怯える代議員達は、苦渋の選択をする事になります。闇の軍団が跋扈する西に、スパイを送り込む作戦を秘密裏に進行させて行きます。そんな中でついにハロルド・ローダーの魔の手が代議員達に迫ります。大集会を前にして、代議員の内輪の会合場所であるニックの自宅に、リモート式のダイナマイトを仕掛けます。仕掛けたのはラリーと行動を共にしていた、元女性教師のナディーン。フラッグの魔力に魅入られ、いつしかフリーゾーンの人々を憎むようになり、ハロルドの悪事に手を貸すことになります。

            1巻から登場していたハロルド・ローダーがついに爆発しましたね。キングさんの小説に、必ずこんなタイプの破壊的な存在が登場しますね。彼の行為により、物語の中心人物の一人、ニックが爆死します。そして物語はいよいよクライマックスに突入していきます。手に汗握りますね。4巻の最後で失踪していたマザーが瀕死の状態で発見され、代議員の4人のメンバーに最後の啓示を示しますね。いよいよ闇の軍団との全面戦争が勃発か?手に汗握る展開ですね。目が離せません。いよいよクライマックスの5巻です。


            スタンド5

            5巻の内容と感想

            ラスヴェガスを拠点に、悪の軍団を増強していくランドル・フラッグ。フリーゾーンから送り込まれたスパイ達も、フラッグの超自然的な力により捕獲されます。フラッグの街は電力を取り戻し、スーパーフルーが蔓延する前の生活を取り戻しつつあり、フリーゾーンへの侵攻計画が画策されていきます。そんな中、スチュー、ラリー、ラルフ、グレンの4人は、マザーの啓示によりフラッグ討伐の為、徒歩で西に向かいます。車ではなく徒歩で、武器、食料も持たず、着の身着のままで出発する4にを待ち受けている運命は・・・・。
            また、一枚岩だと思われていたフラッグの軍勢にも綻びが生じ始めます。善と悪の攻防は果たしてどうなるのか・・・・。

            ついに読み終えました。感無量ですね。読み始めは、読み終えるのに2ヶ月は掛かるかと思いましたが、物語に惹きこまれて1ヶ月で読み終えました。なんてたって文庫本5巻、2,500ページ近い大作ですから。圧倒的なボリュームですね。

            確かにこの作品は、キングの最高傑作、いやベスト3位に入るであろう、傑作と言えますね。緻密なストーリー展開、あらゆるタイプの登場人物、数限りないエピソード。どれを取ってもケタ外れの作品ですね。


            ただし善と悪との戦いが、予想に反して「えっ」という結末ですね。結局はフラッグ率いる悪の軍勢も、一人の狂人の手により全て破壊されてしまう結末には、少しあっけない幕切れ感が残りましたね。フラッグ討伐の為に結成された4人の末路も、こんな形で終わらせるなんて、という思いが残りました。けしてハッピーエンドでは終わらないキング流の結末なんでしょうね。これでようやくTVのミニシリーズとして作製された映像が見られます。(DVDは既に購入済みなんです)



            セル @スティーヴン・キング

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              キングの未読作品を連続して読んでいます。その間にもどんどん話題の新作(国内、海外作品)が発売され、読むのが追いつかない・・・。これって幸せな事なんでしょうね。
              読了したのは「セル」。いまや生活に無くてはならないものとなった携帯電話。その携帯電話が人類に悲劇をもたらします。


              セル01

              Storyは、10月のある日。原因不明の信号が携帯電話に発せられ、その信号を耳にした人々が、突如凶暴化して、ゾンビのように人々を襲いだします。主人公のクレイは、メイン在住のイラストレイターで、この日はボストンまで自分の作品を売り込みに来てこの惨事に出くわします。クレイはもともと携帯電話が嫌いで持ち合わせない人間だったおかげで、このパルスと呼ばれる信号を聞くことなく、生き延びます。クレイは、大惨事の瞬間、偶然近くに居合わせたトムという男性と、近くのホテルに避難した際に助けた少女アリスと共にボストンを離れ、妻と10歳の息子がいる地元への旅を始めます

              旅の途中、3人はガイテン・アカデミーという学校で、惨事を生き延びたアカデミーの校長と、生徒のジョーディに出会います。頭脳明晰なジョーディは、この大惨事に1つの仮説を立てていました。それは、人々の脳が、携帯電話から発せられた謎の信号(パルス)によって全てフォーマットされ、その後に携帯電話を通じて新しいプログラムがダウンロードされたのではないかという仮説であった。

              携帯電話狂人(Phoney)と化した人々は、狂気による殺戮を繰り返し、殺戮すべき相手(正気の人間=Normy)が居なくなった時点で、集団で行動するようになり、Phoneyは昼間に活動し、夜は集団で眠るという特徴を見せ始める。その特徴を知ったクレイ達は、校長とジョーディの助言を手助けに、Phoney達が眠るスタジアムを爆破し、大量のPhoney達を死滅させます。

              セル02

              ここからクレイ達Normyと、携帯狂人Phoneyのバトルが始まるかと思いきや、Phoneyのリーダーと名乗る謎の男が現れます。彼のテレパシーは強大で、Phoney達を自在に操れるばかりか、Normyに夢を見させたり、相手をコントロールさせる程強力なものであった。果たしてクレイ達はPhoneyとの戦争を勝ち抜き、妻と最愛の息子に再会できるのであろうか・・・・。

              キングの長編小説の傾向として、序盤は淡々とした内容で始まり、中盤からスピードが増して、ラストになだれ込む場合が多いのですが、本作は珍しく冒頭からノンストップの殺戮劇が繰り広げられる、手に汗握るホラー作品になっています。大惨事の原因となったパルスはどこから来て、誰が発生させたのか?その謎は最後まで明かされませんが、ガイテンで出会ったジョーディの仮説が正しく、携帯狂人(Phoney)達は、パルスが原因で、殺戮本能のみのゾンビ人間と化してしまったようです。キングさんの言わんとしていることは、携帯電話に依存する現代社会への痛烈な風刺、警告なのでしょうか。しかしパルスによって人類の脳が全て「フォーマット」されるなんて恐ろしいですね。ゾンビなのに夜は眠る、リーダーのテレパシーに操られて、Phoney達が空を飛んだりする等、キングさんらしい斬新な発想(?)も面白いですね。ラストはハッピーエンドが嫌いなキングさんらしい内容ですね。(ネタバレになるので書きません)

              映画化やTVのミニシリーズ化される話もありましたが、立ち消えでしょうか・・・。是非実現して欲しいですね。



              骨の袋  @スティーヴン・キング

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                ぼちぼちとキングの未読作品を読み始めています・・・。

                Storyは30代後半のベストセラー作家マイク・ヌーナンが、最愛の妻を脳血管発作により亡くします。悲観に暮れるマイクは、妻の死以降、ライターズ・ブロックに陥り、小説が書けなくなります。そうして数年が経過。マイクはメイン州デリー市にある別荘の夢を、夜な夜な見るようになります。彼は別荘に呼び寄せられるように、湖畔の別荘に移り住みます。そこで妻に関するある疑問が浮上してきます。そんな時、偶然出会った母子を救った事で、街を牛耳る大富豪を敵に回すことに。また、別荘内では何者かの気配が。そして別荘地の土地にまつわる忌まわしい過去が次々と露呈して行きます。別荘に潜んでいる物は何者なのか?母子の窮地を救う事が出来るのか?そして亡くなった妻の謎とは・・・。

                骨の袋01

                 

                上巻は、妻の死と、それを受入れる事が出来ない主人公の苦悩、そして崩壊していく様が延々と綴られています。事故死した妻が妊娠していたこと、そして妻が自分の知らない間に別荘地の住民にある事を聞き回っていた事などの謎が浮上してきます。

                 

                下巻に入るとイッキにギアがチェンジされ、物語がどんどん進行して行きます。

                マイクの身近で起こっていた奇妙な出来事は、過去に発生した村の不良達による、黒人シンガー、セーラ・ティドウェルの惨殺が原因という事が判明。そしてセーラの魔の手はマイクに迫って来ます・・・。

                骨の袋02
                 

                舞台は架空の街、メイン州デリー。キング作品では大変馴染み深い土地ですね。物語自体は、過去の因縁が延々とこの街を覆い、因縁の根源となっている邪悪な悪霊(幽霊)が主人公と、主人公の家族や友人を巻込むゴースト・ストーリーという内容ですが、そこはキング、随所の至る所にいろいろな伏線が張り巡らされていて、じわじわと恐怖が押し寄せて来る内容になっています。

                 

                アメリカでTV放映された映画版をDVDで見ましたが、30代のマイクの役が、007シリーズで有名なピアース・ブロスナンでした。あれっ、年齢的に無理が無いか?もう少し原作に忠実に、30代の若手俳優を起用して欲しかったですね。ライターズ・プロックに悩まされる主人公の描写が弱くて、キャラクターの造形が弱いですね。まぁ、キングの長大な作品を丹念に映画化すると、何時間あっても足りないので、この程度の作品になってしまうんですね。それでも見てしまう自分。まぁ、ファンとはそういうもの何でしょうね。

                 



                最近読んだ小説(3)

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                  私の大好きな「浅見光彦」シリーズの最新作、それも2冊の作品がそれぞれ同時進行し、クロスしていくという、小説界でも画期的な作品を読了しました。

                  ぁ岷れちまった道」

                  汚れちまった道

                  浅見光彦の視点で描かれた作品です。Storyは、山口県防府市の女性から知人経由で、浅見光彦のもとへ「失踪した夫を捜してほしい」という依頼が舞い込みます。
                  タイミング良く、雑誌「旅と歴史」の藤田編集長からも中原中也のルポを頼まれた浅見は、山口へと向かいます。失踪した奥田伸二は地元新聞の記者で、浅見は勤務先などでの情報収集を始めた矢先、奥田が遺体で発見され、さらに浅見が捜査の情報源となると期待していた、中原中也同好会の幹事・成松利香までもが行方不明になってしまいます。一方、大学時代の友人・松田将明が同じ時期に、訪れた山口で事件に巻き込まれ・・・。


                  ァ崘觧人事件」

                  萩殺人事件

                  光彦の大学時代の友人、松田将明の視点で描かれた作品です。Storyは、編集者の松田将明は見合いをするため山口県宇部市へと向かいます。松田は観光がてら立ち寄った萩で、列車を降りる直前に車窓から見かけた、赤い傘の女性に一目惚れしてしまいます。
                  女性がいた場所で萩焼のネックレスを拾った松田は、それを手がかりに彼女を捜し始めます。だが、ネックレスの持ち主は彼女ではなく、それどころか松田は、殺人事件の容疑をかけられてしまう事に。大学時代の友人・浅見の力を借りようとする松田であったが、その時、名探偵浅見もまた山口県に来ていたのであった・・・・。


                  この2作品は内容がクロスしています。最初、どのように読んだらいいのか迷いましたが、「萩殺人事件」から読み始める事に。まず浅見の友人の松田の視点から読み始め、1章分を読み終えたタイミングで、「汚れちまった道」の1章分を読み、また「萩殺人事件」に戻るという方法で、読みました。

                  この読み方が良かったのか、両方の作品がよりシンクロし、Storyの時系列にズレもなく、最後までハラハラドキドキしながら読めました。

                  う〜ん、それにしてもこんな小説を考えるなんて、内田先生も凄いですね。

                  ここ近年は作品の発表頻度がグッと落ちて、1年に1作ないし2作のペースとなりましたが、その分、作品の密度というか、内容に厚みが増した感がありますね。早く次の浅見光彦シリーズの新作が読みたいですね。





                  最近読んだ小説(2)

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                    ミスジャッジ / 堂場舜一

                    メジャーリーグに移籍した日本プロ野球チームの元ピッチャー、橘。名門レッドソックスに入団し、日本で迎えるヤンキースとの開幕2試合目の先発を任されます。方やメジャーリーグ初の日本人審判として、開幕第2戦の主審を務めることになったのは、橘の因縁の相手、竹本。実は2人は大学時代、先輩・後輩として野球人生を歩んでいて、竹本の方はドラフト1位間違いなしの豪腕ピッチャー、橘は竹本の影に隠れた控え投手であったが、肩の故障により球界に見放された竹本は、失意の底で単身米国に渡り、地獄の日々を潜り抜けて審判への道を進み、橘は日本のプロ野球チームに所属し、実力を認められて晴れてメシャーリーガーとなったのであった。そんな因縁の二人が選手と審判という立場で対戦。コントロールを信条とする橘は、ゲーム終盤、自信を持って投げ込んだ球がボールと判定され、そこから調子を崩し、メジャーリーガーとしての自信を喪失していく。

                    メジャーリーグを舞台に、技巧派ピッチャーの苦闘、そして竹本との間に繰り広げられる因縁を軸にストーリーが展開されます。ラストはスポーツ小説らしい、爽やかな終わり方で、胸を打ちます。

                    ミスジャッジ



                    最近読んだ小説(1)

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                      .泪好レードホテル / 東野圭吾

                      都内で発生した連続殺人事件。殺人現場に残された謎のメッセージ。そのメッセージに隠された暗号を読み解くと、次の犯行予告と場所と思われる、メッセージが隠されていた。それは都内有数の高級ホテル、コルシア東京だった。次の犯行を食い止める為、警察が取った作戦は、ホテルの職員に刑事を潜入させる方法であった・・・。

                      ホテルの裏側が垣間見えたり、お客とのやり取り、随所に散りばめられたエピソードが面白いですね。犯人とその動機が意外な所にあり、えぇぇっというラストに驚かされます。フロントマンに化けた敏腕刑事と、その刑事を指導する美人ベテランフロントクラークとのやり取りが面白いですね。

                      マスカレードホテル

                      ▲廛薀船淵如璽拭/ 東野圭吾

                      DNA捜査によって、犯罪検挙率が飛躍的に向上した近未来の日本が舞台。DNA捜査でも犯人が特定出来ない殺人事件が発生。そんな時、DNA捜査システムの生みの親と言うべき、天才数学者兄妹が惨殺される事件が発生。その容疑者となったのは、システム構築の中心人物である警視庁特殊捜査機関の天才科学者だった。未に覚えの無い殺人事件の被疑者となった科学者は、自分の無実を証明すべく、逃亡の身となります。そしてDNA捜査システムに疑問を抱くベテラン刑事と共に、事件の核心に迫る科学者。プラチナデータとは、DNA捜査システム上で検索が出来ない、大物政治家や権力者等のDNAの事で、そのデータを守る為に、この事件が発生したのであった。さすが東野圭吾、手に汗握る展開が楽しめる作品ですね。


                      プラチナデータ



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